株式会社クボタ精密機器事業ユニット

株式会社クボタ

二次元電池材料用 重量(定量)フィーダ 正極材・負極材原料の投入を「自動化」 二次元電池材料用 重量(定量)フィーダ 正極材・負極材原料の投入を「自動化」




リチウムイオン二次電池製造における課題

 リチウムイオン二次電池(LiB)の原材料となる正極材や負極材。
これらは単一の原料ではなく、複数の原料を計量・混合して製造されています。
製造工程における原材料の「計量」工程は、台秤などの設置式・静止計量の 計量器を用いた、

マンパワーの手作業がメインでした。

 しかし、労働人口減少による人手不足による省人化が求められたり、昨今の電気自動車開発などで車載用電池の大量生産によるバッチ式生産から連続式生産工程への移管が進む中、その「計量」をいかに効率的に行うかが、今後の正極材・負極材の製造に求められる課題となっています。


これからは

計量工程を「自動化」する
「重量式フィーダ」


 正極材・負極材原料の計量工程を「自動化」し、製造工程の効率化に貢献することができるのが「重量式フィーダ(定量供給フィーダ)」です。

 重量式フィーダは、原料を正確に計量しながら次工程へ原料供給を行う「計量~投入工程」を自動化する画期的な装置です。

 既に連続式生産工程が普及しているプラスチック業界にとっては、なくてはならない機器になっています。
生産ラインに限らず、研究ラボでも多数導入されており、この重量式フィーダなくしてはプラスチック製造は実現しません。

正極材・負極材の製造工程でも徐々に「重量式フィーダ」の採用が進んでおり、海外を含めた製造メーカーでは、将来の大規模生産に向けた設備導入が着々と進んでいます。



  • ①供給量監視について

    重量式フィーダはフィーダ本体、重量センサであるロードセル、フィーダコントローラ、モータコントローラ、設定器(オペレーションターミナル)といった機器で構成されます。

  • ②スクリュ回転数について

    フィーダから排出され、ホッパ内から減っていく原料の重さを重量センサが計測しフィーダコントローラに重量信号として送ります。フィーダコントローラは重量変化に基づき、スクリュ回転数をフィードバック制御することで定量的に原料を供給します。

  • ③フィードバック制御について

    フィードバック制御とは、

    ・原料が設定より多く出ていれば、スクリュ回転数を遅くする

    ・原料が設定より少なく出ていれば、スクリュ回転数を速くする

    という制御を連続的に行うことで、定量的な原料供給を可能にするものです。




重量式フィーダの3つの導入メリット

高精度

精密な計量制御により、原料性状の変化に追随した高精度な供給を実現

正しく原料を計量し次工程へ供給することは、二次電池の品質を担保するための重要な条件です。原料は周囲環境によって性状を変化させることがあり(例えば周辺温度や湿度など)計量方法や次工程への投入方法によってはその影響で誤差が生まれている可能性があります。重量式フィーダはそのような変化が生じた場合でも高精度に計量・供給を行うことができ、誤差の発生を抑えることができます。

高品質

原料供給量や比率、運転実績の記録が可能で品質管理が向上

品質管理のためには、生産に関わる様々なデータを記録する必要があります。 重量式フィーダを使えば、次工程へ供給した原料の重量、原料の配合比率、詳細な運転実績をデータとして自動で保存することができますので、データ改ざんを防ぐことはもちろんですが、品質管理の自動化にも繋がります。

時間短縮

容積式フィーダ(計量制御機構を持たないフィーダ)と比べ、原料段取り替え時間が短縮

既に容積式フィーダを用いたプロセスで製造の効率化が達成できたと感じていらっしゃる方も多いと思います。
しかしながら、重量式フィーダはその構造から原料の段取り替え時間をさらに短縮することが可能ですので、日々積み重なっていくIT(アイドルタイム)を削減し、さらなる効率化を実現できます。



バッチ式

フィーダを導入した製造プロセス例


さまざまな小型電池を製造しており、正極負極の品種替えが多いような
多品種少量生産に最適です。


電極材や導電材料、バインダなどの原料をバッチ式で計量し、ミキサーへタイムリーに投入します。



連続式

連続式への流れ

蓄電システムなどの大型電池を製造する場合に最適です。
また、バッチ式では生産量の増加に伴い、設備を大型化する必要がありますが、連続式の場合はコンパクトな設備で対応可能です。

生産リードタイムも短い連続式の採用が、今後拡がっていくものと思われます。

スラリー化工程で活物質や導電助剤を混練機へ連続供給します。


クボタ重量式フィーダの特長

※計工連の生産統計による当社調べ(2018年3月)



高い供給精度

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顧客名 原料 バッチ量 バッチ時間 バッチ精度 機種
A社 リチウム 50kg 10分 ±0.07% NX-S90C
B社 水酸化リチウム 50kg 10分 ±0.05% CE-R-3D-MP
B社 酸化ジルコニウム 1kg 10分 ±0.05% CE-R-3D-MP
C社 ミックスパウダー 7kg 30秒 ±0.03% CE-T-3D-MP
D社 正極材 150kg 30分 ±0.16% CE-S-4
D社 負極材 66.3kg 30分 ±0.34% CE-S-4
D社 負極材 7.4kg 30分 ±0.61% CE-S-3


10,000台以上の豊富な納入実績

クボタは重量式フィーダを開発・生産・販売して約40年の歴史をもつ老舗メーカーであり、全世界へこれまで10,000台以上を納入してきました。
ご紹介したような製造プロセスが既に標準化しているプラスチック製造業界での納入実績はもちろん、国内外を問わず二次電池原料の生産・製造ラインへの導入も続々と進んでいます。
豊富な実績と経験から、今後の二次電池製造をサポート致します。