はかりのはなし

ロードセルの原理

「ロードセル」とは、検出した荷重(N:ニュートン=力の大きさ)を電気信号に変換して出力する、重量センサのことです。(出力された電気信号を質量(kgなど)に換算して表示する表示機のことを、「指示計」と呼びます。)

クボタの計量器や重量式フィーダの中には、この重量センサであるロードセルが搭載されています。一般的にロードセルというと「電気抵抗線式ロードセル」のことを指し、クボタのロードセルも電気抵抗線式を採用しています。「ひずみゲージ式ロードセル」と呼ばれることもあります。

電気抵抗線式ロードセル(ひずみゲージ式ロードセル)の検出原理

全く初めてお聞きになる方もおられると思いますので、まずは簡単な例を挙げて説明します。「バネばかり」を思い浮かべてください。10kgのものをぶら下げた時にバネばかりが伸びた長さと、15kgのものをぶら下げた時に伸びた長さでは、どちらが長いでしょうか?

答えはもちろん、15kgの方ですよね。かかった力(荷重)と、変化した量(変位量)との相関関係を覚えておけば、重さが分からないものを載せても、バネの伸びた長さを調べれば、それが分かりますね。電気抵抗線式ロードセル(ひずみゲージ式ロードセル)が荷重を検出する仕組みも、これと同じです。

金属に力を加えるとほんの僅かですが金属が変形します。その変形をひずみゲージを用いて計測し、荷重に換算するのです。

具体的には、起歪体(きわいたい)と呼ばれる金属に「ひずみゲージ(歪ゲージ=抵抗線)」を接着します。そのひずみゲージが金属の変形と共に変形することで、ひずみゲージの電気抵抗値が増減し、電気抵抗が変化します。例えば、抵抗線が引っ張られるとゲージの長さが伸びるので、断面積が減少し、電気抵抗が増えます。そして、この電気抵抗の変化を電気回路で検出することで荷重を計算するのです。

ホイートストンブリッジ回路

電気抵抗の変化を検出する電気回路は「ホイートストンブリッジ回路」と呼ばれる構造です。高校の 物理で習った方もいらっしゃると思います。ひずみゲージ単体では小さな抵抗の変化しかありませんが 、このホイートストンブリッジ回路を用いて電圧として計測されます。

左の図のR1~R4が起歪体に貼り付けられた4枚のひずみゲージを表しています。R1とR3は力:Wが 加わる方向に沿って、R2とR4は力:W がかかる方向に対して垂直に貼られて います。 力:Wが加わると、R1とR3のゲージは 縮みますので、抵抗値は下がります。反 対に、R2とR4のゲージは伸び、抵抗 値が上がることになります。 このため、回路内の電圧:Eoに電位差 が生ることになり、それを”力”として計 測するわけです。 ロードセルには起歪体の形状によって、 いくつかの種類があります。先ほどの図 のような”圧縮”以外にも”引張”、”曲げ ”、”ダイアフラム”など要求精度や負荷 容量、使用目的、コストなどによって決 められます。


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